【12月27日 AFP】インドネシアにある中国資本のニッケル加工工場で溶鉱炉が爆発し、少なくとも18人が死亡した事故をめぐり、インドネシア人従業員数百人が27日、環境改善などを求めて抗議デモを行った。

 事故が起きたのはスラウェシ(Sulawesi)島のモロワリ工業団地(Morowali Industrial Park)内にあるインドネシア青山ステンレススチール(ITSS)の工場。従業員が23日朝、溶鉱炉を修理していた際に爆発が起きた。

 スラウェシ島はインドネシアのニッケル生産の中心地。中国の投資が拡大する中、賃金や労働条件をめぐり現地従業員の不満が噴出している。

 AFPが確認した画像からは、工場前で従業員数百人が抗議している様子が分かる。

 労働組合が警察に送付した書簡によると、抗議デモ参加者らは23項目の要求を会社側に提示した。

 要求には、溶鉱炉の維持管理の改善、緊急事態に対応するために医務室拡充、中国人従業員のインドネシア語習得の必須化などが含まれている。

 動画には、デモ参加者が拡声器を使って「どんな生産も命を賭けるほどではない!」と叫ぶ様子が映っていた。

 死亡した溶接工の男性(40)のいとこはAFPに、ITSSは慰謝料として6億ルピア(約550万円)を男性の家族に支払ったと話した。

「家族は彼が最後の犠牲者になるよう、同様の事故が再び起きないよう願っている」という。

 警察によると、現在も30人が爆発による負傷で入院している。(c)AFP