【12月26日 AFP】フランスで、人身売買の被害者が搭乗している疑いがあるとして当局に足止めにされていた旅客機が離陸を許可され、インド・ムンバイの空港に26日、到着した。スウェーデンの航路追跡サイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」で明らかになった。

 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ発ニカラグア行きのルーマニア・レジェンド航空(Legend Airlines)のエアバス(Airbus)A340型機は21日、給油のため、パリから東に150キロのバトリー(Vatry)空港に一時着陸。人身売買の被害者が搭乗しているとの匿名通報を受け、当局は同機に離陸停止を命じていた。

 仏警察は人身売買の疑いで乗客2人の取り調べを行ったが、司法関係者によると、インド人を中心とする303人の他の乗客は自らの意思で搭乗したことが確認され、2人は釈放された。

 同機は、276人を乗せて25日午後3時前に離陸。26日午前4時すぎにムンバイ国際空港に着陸した。取り調べを受けた2人は搭乗していないが、担当弁護士によれば、国外退去命令を受けた。

 捜査関係者はAFPに、乗っていたインド人はUAEで働いていた労働者とみられ、米国またはカナダへ向かう中継地としてニカラグアを目指していた可能性が高いとの見方を示した。

 当局は人身売買ではなく、入管法違反の疑いで引き続き捜査を続けているという。(c)AFP