【12月22日 AFP】オランダの外務省前に21日、多数の公務員が座り込み、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での停戦を求めて政府に抗議する異例のデモを行った。

 オランダは先週、国連総会(UN General Assembly)で行われたガザ停戦を求める決議案の採択で、圧倒的多数の加盟国が賛成票を投じる中、ドイツやイタリアと共に棄権した。

 ハンケ・ブラウンススロット(Hanke Bruins Slot)外相は棄権理由として、決議案の文言でイスラエルの自衛権に関する「明確さが不十分」だったことに加え、10月7日のハマスによるイスラエル急襲への言及がなかったためと説明していた。

 昼休憩中に約30分にわたり行われたデモには、省庁職員約150人が参加。「公務員は停戦を要求する」と書かれた横断幕やプラカードを掲げ、ガザをめぐる政府の姿勢に抗議した。

 オランダではデモが頻繁に行われるが、公務員が政府の方針に反対して抗議デモを行うのはまれ。

 デモの広報担当で、自国政府の姿勢を受けて先月外務省から辞職したというアンヘリク・アイペさんは「政府がまだ永続的な停戦を求めていないことへの憂慮があり、それがきょうわれわれがここにいる理由だ」と話した。

 デモ参加者のイェッセ・ヤンセンさん(34)は、「停戦をめぐるオランダの姿勢に賛同できないからここに来た」とし、「国際法違反が起きている中、ただ傍観していることはできない」と述べた。

 オランダでは10月にもガザをめぐり、公務員約200人が議会に書簡を送り、イスラエルにガザ爆撃停止と「罪のない民間人の保護」を促すよう要求していた。(c)AFP