【12月22日 AFP】米大リーグ機構(MLB)の競技委員会は21日、試合時間の短縮を目的としたいくつかの調整と、一塁へ走塁する際の進路幅を拡大するなどのルール変更を採決し、これを承認した。

 2024年シーズンから適用される新規則は、審判をはじめ各球団の監督やゼネラルマネジャー(GM)らが構成する競技委員会が今オフシーズンに行った協議で決まった。

 委員会の責任者でシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)の最高経営責任者(CEO)を務めるジョン・スタントン(John Stanton)氏は、「これらの変更は、昨年競技委員会がファンや球界から好評価を得た作業を改善するものになる」と自信を示した。

 一塁への進路はファウルラインと内野の芝に挟まれた土の部分まで拡大され、走者はより直線的に一塁を目指すことが可能となったほか、守備妨害を取られるリスクからも保護される。拡大される進路の幅は、18インチ(約45.7センチ)から24インチ(約61センチ)の間となっている。

 ピッチクロックは2023年シーズンから導入されたが、試合の平均時間は4月が2時間37分だったのに対し、9月は2時間44分に延びていた。

 これに対応するため、競技委員会はピッチクロックの時間について、有走者の場合はこれまでの20秒から18秒に短縮し、無走者ではこれまでと変わらず15秒とした。また、投手が罰則なしでモーションを解除して時計をリセットできるのは、1登板につき2回までとなった。

 ピッチクロックのタイマーは、投手がボールを保持してプレー再開の準備が整った時点でリセットされる。これまでは投手がマウンド上でボールを持った時点とされていたが、この変更により投手がマウンド周辺を歩き回って時計の再スタートを遅らせるのを防ぐことができる。

 さらに、イニングに向けてウオームアップを開始した投手は、最低でも打者1人との対戦が義務付けられる。ウオームアップ後に投手が交代したケースは、2023年シーズンではワールドシリーズでの2回を含め計24回あり、1回につき長引いた時間は平均約3分間だった。

 さらに投手交代の時間は、これまでの2分15秒から2分00秒に短縮される。