【12月14日 東方新報】中国中央テレビ(CCTV)の12月6日の報道によると、中国は2030年までに6G技術の商用化の実現を目指し、それに向けた技術の標準化は25年頃に達成される見通しであると、中国6G推進チームのリーダーで中国情報通信技術研究院副院長の王志勤(Wang Zhiqin)氏が語った。

 王氏は「中国は昨年6Gの技術実験を開始し、今年は6Gシステム構造と技術ソリューションの研究を相次いで実施した。これらはすべて6G商用化の次のステップへの基礎を築くものだ」と説明する。王氏の報告書によれ、「6Gは各国とも技術研究の初期の段階にあり、6Gネットワークの構築とキーテクノロジーの統一基準はまだできていない」という。

 新華社通信の報道によると、中国工業・情報化部は5日、5Gおよび6Gシステム用に6GHz周波数帯を割り当てたことを発表した。6GHz帯はミッドバンドで唯一帯域幅の広い高品質なリソースで、その使用可能範囲と容量の利点を考慮すると将来の5Gおよび6Gシステムの展開に特に適しているという。

 中国工業・情報化部の張雲明(Zhang Yunming)副部長は5日、重慶市(Chongqing)で開催された「世界6G発展会議(Global 6G Development Conference)」のビデオあいさつで「中国は6Gに関する技術実験を着実に進めており、6Gの革新的な発展を推進していく」と表明した。

 張氏は「6Gアプリケーションのエコシステムの事前の開発が必要だ。中国は次世代の5Gワイヤレス技術とクロスリアリティ(XR)、ロボットなどの新しい産業分野の統合的な発展を加速させ、6Gアプリケーションのための強固な基盤を築くべきだ」と述べている。

 また「新世代の知的で包括的なデジタル情報インフラとして、6Gはイノベーションの深さ、統合の広さ、協力の強さを増すために、世界の産業界、学界、研究機関の共通認識、意見の一致、緊密な協力が必要だ」と強調する。

 王チームリーダーは「6G通信技術は、5Gとは異なる三つの新たな応用シナリオを創り出した。すなわち、通信と感知技術の融合、通信と人工知能の融合、多機能衛星と地上移動通信を利用した大量のモノのインターネット(IoT)である。将来6Gは人間だけでなく、ロボットやメタバースなどの人工知能ともつながる。また、5Gの応用シナリオもさらに進歩していくだろう」と語る。

 業界のオブザーバーは、「中国は通信技術において非常にオープンな政策で、6Gにおける国際協力を奨励している。世界的なサプライチェーン形成を阻害する米国の技術ブロック政策とは対照的な姿勢だ」と見ている。

 北京のある業界アナリストは6日、「環球時報(Global Times)」の取材に応じ、「6Gの開発プロセスでは、世界の多くの企業がこの分野での中国の技術標準を理解し、認識できるように、国際協力を強化する必要がある。もし米国が中国の技術標準を孤立させようとすれば、それは自らを孤立させることにもなる」との懸念を述べた。(c)東方新報/AFPBB News