【12月16日 CGTN Japanese】上海地下鉄がこのほど、乗車料金の規則の一部を変更しました。最も大きな変更の1つは、10分以内ならば、乗客が同じ地下鉄の駅に無料で出入りできるようにしたことです。

 新たな規則では、乗客が地下鉄の駅の出口や構内の通路を間違えたり、トイレを利用したりするなどの事情のために、短時間で同じ地下鉄の駅の改札の内側に出入りする場合には、駅構内のサービス窓口で乗車賃を払い戻してもらうことができます。報道によれば、規則の変更の背後には、上海市の大学生が上海の地下鉄運営会社の料金制度を不当として訴訟したことがあります。

 上海市にある華東政法大学の学生の羅雨潔さんは2022年12月、地下鉄の自動改札機を出た後に目的地から遠い出口から駅の外に出ることになると気づき、再び携帯電話で自動改札機のスキャナーにスキャンして改札の内側に入り、目的地に近い出口から出ました。羅さんは、電車には乗らなかったので課金されないと思っていましたが、乗車料金3元(約60円)が自動的に引き落とされたことに気が付きました。羅さんは、このような地下鉄の料金制度により自分の権益が損なわれたと考え、同級生と共に上海申通地下鉄集団を相手とする訴訟を起こしました。

 羅さんと同級生は、地下鉄会社が制定した「距離が0キロでも運賃は3元」という条項は無効として、引き落とされた料金3元を返還することを求めました。羅さんは、裁判官の周琪判事に「第1に、地下鉄には乗っていなかった。第2に、地下鉄会社は旅客を輸送する義務を履行していないので、乗車料金を受け取ることはできない」と訴訟の理由を説明しました。

 羅さんはさらに、地下鉄運営会社が定めた「距離が0キロでも運賃は3元」という運賃の規則は不合理で、案内や説明などの義務も果たしておらず、無効だと主張しました。

 地下鉄会社の関係者は「これまでも乗客から時おり、同じ苦情を受けたことがあり、乗客の声には気付いていた」「会社は最近、運賃規則を改正して、乗客が改札の内側に入ってから10分以内に乗車を取り消した場合には、同じ駅のサービス窓口で運賃の払い戻しができるようにした」と説明しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News