【12月13日 KOREA WAVE】
伴侶植物病院を訪れたAさんの「パキラ」が受付に置かれた(c)news1
伴侶植物病院を訪れたAさんの「パキラ」が受付に置かれた(c)news1

「この子、生きられますか、先生?」

今月1日、ソウル市瑞草区の伴侶植物病院の診療室で会ったAさん(27・女)の顔は心配でいっぱいだった。深いため息からついていたAさんは、自分が連れてきた「パキラ」が生きる見込みがあるかどうかを尋ねた。

Aさんは6カ月前、伴侶植物「パキラ」をプレゼントされた。真心を尽くしたが、「葉が黄色くなり、茎が力なく垂れ下がる姿を見ながら、だんだん寂しくなってきた」と病院を訪れた。

白いガウンを着て登場した「お医者さん」のチュ・ジェチョン院長は、相談室の隅にあった袋を引っ張ってきて慎重に土を払い、根の状態を調べた。表面だけでは正確に判断できないからだ。

病名は過湿による生理障害。「細菌病で腐る前にタイムリーに訪ねてきた」と伝えられ、Aさんの口元に笑みが広がった。

チュ院長は「大部分の飲食店が“夏には喉が渇くのではないか”と水をたくさん与える。冬には乾燥するので、さらに多くの水を与える。だから過湿で腐る場合が多い。特に冬は、すでに葉がたくさん落ちているのに、同じ量の水を与えてしまう。必要以上ということになる」と強調した。

「植執事」(植物と執事の合成語)は、Aさんのように植物を世話しながら愛情を注ぐ人々を指す新造語だ。新型コロナウイルス感染以後、伴侶植物人口が増えたものと推定される。農林畜産食品省によると、昨年、国民1人当たりの年間の花卉消費額は、2021年より11.1%増加した1万3764ウォンを記録し、3年連続増加した。

農村振興庁が2021年、市民726人を対象に、植物を育てることに対する認識と効果について調査した結果、回答者の大部分は「植物を育てることを通じて空間が美しくなる、という気分になり、心が安らかになり、憂うつな気分が消えるという効果」に共感したことがわかった。

最近の8カ月間、この伴侶植物病院を訪問したり、電話相談など非対面診療を要請したりした件数の79%は40代以下の「植執事」だ。うち30代は34%、20代は19%を占めた。病院で受付業務に携わるBさんは次のように語る。

「種から買って育ててくる方々は、どうしても特別な愛情がある。インゲン豆を育てて状態が悪くて診療を受けたが、『死亡宣告』を受けて泣く青年もいた。当初、訪問者は40~50代が多いのではと思ったが、実際には20~30代がはるかに多かった。植物に対する愛情と関心が高いということを実感している」

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News