【12月12日 AFP】欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は11日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の状況について、「壊滅的で世界終末の様相を呈している」と形容し、第2次世界大戦(World War II)中にドイツが経験した破壊規模と比べても「より甚大でさえある」と発言した。

 EU外相会議の議長を務めたボレル氏は、イスラム組織ハマス(Hamas)の10月7日の奇襲に対するイスラエルの報復攻撃で、「信じ難い数の民間人が犠牲になった」と指摘した。

 さらに、EUはパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)における「過激派入植者の暴力行為に危機感を募らせている」と述べるとともに、エルサレムでさらに1700戸の住宅建設を承認するというイスラエルの決定を非難した。

 ボレル氏は、ハマスはその残虐な攻撃により、EUが指定するテロ組織リストに含まれるのは当然だとした一方で、イスラエルの軍事作戦は、民間の死者数および建物やインフラへの被害の規模からして、不相応な対応だと強調。「その人的被害は、国際社会に前例のない難題を突き付けている」との認識を示した。

 ガザの保健当局によると、死者のうち60~70%を民間人が占めており、人口の85%が避難を強いられている。

 ボレル氏は「ガザにおける建物の破壊規模は、第2次世界大戦中にドイツの各都市が受けた被害と比べても、比率で見ればさらに甚大でさえある」と述べた。(c)AFP