【12月10日 AFP】伊ベネチアで9日、気候変動危機を訴える団体「絶滅への反逆(Extinction Rebellion)」のメンバーが、カナル・グランデ(Grand Canal、大運河)に染料を投入し、運河の水を緑に染めた。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで開催されている国連(UN)気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)での不十分な取り組みへの抗議だ。

 ソーシャルネットワークに投稿された画像によると、絶滅への反逆のメンバーは9日午後、通行人やゴンドラ、観光客が行き交う中、カナル・グランデに緑の蛍光色の液体を流し入れた。運河に架かるリアルト橋(Rialto Bridge)には抗議の横断幕が掲げられた。

 団体のイタリア支部は、ベネチアの運河に投入したのは「無害の」蛍光染料だとX(旧ツイッター)への書き込みで明らかにした。

 絶滅への反逆は「イタリアにおける気候危機の影響は既に深刻で、科学的にも状況はさらに悪化するとの見方が強い。それにもかかわらず、指導者たちは茶番を繰り返すばかりで、時間を浪費している」との声明を発表。「われわれは、不十分な取り組みに対して抗議している。われわれの未来が石油産業に売り渡されている現状において黙っているわけにはいかない!」と批判した。

 ローマのテベレ(Tiber)川やミラノの運河、トリノを流れるポー(Po)川でも同様の抗議行動があり、SNSに画像が投稿された。(c)AFP