【12月8日 AFP】空になったテント、廃虚と化したバー、実際に使われていた音響システム。イスラム組織ハマス(Hamas)による襲撃の瞬間で時が凍りついたかのような光景が、イスラエルの最大都市テルアビブ(Tel Aviv)のホールに広がっている。

 ハマスは10月7日、イスラエル南部ネゲブ砂漠(Negev Desert)で開催されていた音楽フェスティバル「スーパーノバ(Supernova)」を襲撃した。

 前日から2日間にわたって開かれていた音楽祭には、3000人以上が集まっていた。

 7日に開幕した追悼展では、参加者ら364人が射殺された流血の現場が再現されている。

 会場には殺害された犠牲者の名前と写真のほか、引き取り手がない靴や帽子、眼鏡、キーホルダーといった遺品が並べられ、形見を探す遺族らが見入っていた。

 音楽フェスの会場に警報が鳴り響いたのは、10月7日午前6時29分。武装集団が車やパラグライダーで現れ、群衆に向かって発砲を開始した。攻撃は数時間に及び、参加者は逃げまどい、身を隠した人々も追い詰められた。

 ハマスは約40人を人質として、実効支配下にあるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へ拉致していった。その後の現場には焼け焦げた車や放置されたテント、寝袋、衣服などが散乱していた。

 ハマスの襲来時刻を表す「06:29」が、追悼展のタイトルとなっている。(c)AFP/Michael Blum