【11月30日 AFP】英国体操協会(British Gymnastics)は29日、選手を保護するための新たな規則を発表し、今後はコーチが選手の体重を測ることを禁じるとした。

 英体操界では昨年、選手に対する「組織的」な肉体的・精神的虐待があったとする報告書が出されており、同規則はそれを受けて示された方針の一部。

 新ルールの下では、10歳以下の選手の体重測定が禁止される。11歳以上の場合は、選手本人の同意がある場合のみ認められるが、18歳以下の場合は、選手本人に加え親もしくは保護者の同意が必要となる。

 体重の測定はスポーツ科学もしくは医学の専門家によって行われなければならず、実施には成長の記録や筋力強化、コンディショニングといった「科学的に妥当な根拠」がなくてはならない。

 英協会は、「有害な慣行」を根絶するため、報告書で出された提案以上の取り組みを行う意向だと述べ、「不適切または過度な体操選手の体重測定は虐待の一端になる可能性があり、繰り返される場合は虐待になりかねない」と指摘。体重測定にまつわる心理的な負担への懸念や、摂食障害や不安症、うつ病といった精神衛生上のリスクを考慮し、新方針を導入したと説明した。

 昨年にまとめられた報告書では、2008〜20年に400件以上の苦情があり、そのうち40パーセント以上で指導者から選手に対する身体的な虐待行為があったと指摘された。(c)AFP