【6月17日 AFP】英国の有名体操選手らが虐待などの苦情を申し立てた件について、独立調査した弁護士が16日、同国体操協会(British Gymnastics)が肉体的・精神的虐待を受けた若い選手たちの安全よりも、メダルを優先していたとの報告書をまとめた。

 アン・ホワイト(Anne Whyte)弁護士は2020年に委託された306ページに及ぶ報告書の中で、「組織的」な虐待の問題を明らかにした。

 ジュニア年代からトップレベルの選手に対する安全対策の失敗は、400を超える事例が提出されており、ホワイト氏がまとめた中ではその半数以上で精神的虐待が報告され、9パーセントについては性的虐待を伴うものだった。また、コーチが7歳の子どもの上に座るという衝撃的な内容の報告もあった。

 ホワイト氏は、協会が選手の安全よりも成功を重要視したり、苦情に効果的に対処できなかったりしたと、運営組織としての数々の失敗も列挙。元協会トップのジェーン・アレン(Jane Allen)氏の「リーダーシップの欠如」と「アスリート福祉の重要性を理解しない組織としての失敗」を非難した。(c)AFP