【11月28日 AFP】ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦するクリプトデータRNF(CryptoDATA RNF)が、選手権のイメージに影響を及ぼす「度重なる違反」を理由に2024年シーズンから除外された。MotoGP選考委員会が27日、明らかにした。

 今季最終戦バレンシアGP決勝の翌日に出された発表文では、「MotoGP選考委員会は、2024年シーズンにRNFを選出しないことを決定した」と記された。その理由として、RNFに「MotoGPのパブリックイメージに影響を及ぼす度重なる違反と参加協定への違反」があったと説明されている。

 アプリリア(Aprilia)のマシンを使用するRNFは、25日に財政難やレース撤退のうわさを否定しており、27日には新たなスポンサーとの提携を発表していた。

 しかし、MotoGPの統括団体が下した今回の決定は、最終的なものになるとみられる。

 一方、発表文では「24年MotoGPクラスのグリッドに加わる、アプリリアのマシンを使用する新しいインディペンデントチームの申請を、選考委員会が審査する」ことも補足されていた。

 RNFの除外によって同チームに所属する2人のライダー、ミゲル・オリベイラ(Miguel Oliveira、ポルトガル)とラウル・フェルナンデス(Raul Fernandez、スペイン)は、代替チームが決まるのを見守る中で、宙に浮いた状態となる。

 RNFはマレーシア人のラズラン・ラザーリ(Razlan Razali)氏が同国国営企業の石油大手ペトロナス(Petronas)の支援を受けて創設し、セパン・レーシングチーム(SRT)の名の下で2019年にMotoGPへ参戦を果たした。一昨年限りでペトロナスの財政支援を失った後、チームはラザーリ氏が引き継いでRNFと改名。2022年末には、ルーマニア企業のクリプトデータ(CryptoDATA)が大株主となっていた。

 ラザーリ氏は前週末のバレンシアGP開幕時、チームからの離脱をソーシャルメディアで発表していた。(c)AFP