【11月27日 CNS】中国では近年、没入型文化観光のトレンドが高まっている。新たな文化観光体験が新しい消費ニーズを刺激し、新たな文化観光シーンが発展に新たな原動力をもたらす。没入型文化観光という新業態、新モデルの発展の勢いはますます強まっており、その理由を探求する価値も出てきた。

「没入型」は、近年最も人気のあるネット流行語の一つで、インターネット、ビッグデータ、バーチャル・リアリティー(VR)などの新技術の発展と共に生まれ、さまざまなシーンで広く使用され、異なる意味を内包するようになった。

「没入型」のブレークの原因は、それが「生まれつき」持っているインタラクティブと体験感が、現代の若者のより良い生活への新たな期待に応えていることにある。

 人々は、より正確で、より深い、より楽しい参加感と体験感を求めている。このような需要の高まりにより、パフォーマンス、ナイトツアー、展覧展示などいたるところで「没入型」が花開いている。没入型教室、没入型読書クラス、没入型トレーニングなどが宣伝・教育を「活性化」させ、没入型アート・トイ・スペース、没入型体験館、没入型無形文化遺産基地などが、各種の体験を深く、生き生きとしたものにしている。

 一方、人々の物質的な生活水準の向上や、情報伝達チャンネルの多様化につれ、新たな需要が次々と喚起されている。ライブ配信、ショート動画などのニューメディアのブレークは、ライブ配信ならではのリアルタイムのインタラクション、ショート動画の一人称視点の臨場感、そして没入型体験が時間と空間を超え、「世界は広い、見てみたい」という人々の強い願望を満たすようになっている。

 このほど、中国文化・観光部は20の没入型文化観光新業態のモデル事例を発表した。これら20の事例は、没入型の表現を用いて、文化観光リソースを十分に掘り下げ、優れた伝統文化が新たな活力、風貌を見せている。

 一般大衆から広く好評を博しているモデル事例から、没入型文化観光は観光の内包を拡大させ、消費のアップグレードを促進したことがわかる。これこそがその魅力なのだろう。

 没入型文化観光は、文化と観光の融合や現実とバーチャルの組み合わせなどを通じ、観光客に新たな体験をもたらす。観光消費も、「観光地を急いで回る」方式から「商業、養生、学習、レジャー、感情、新奇」に重きを置く深みのある旅行やインタラクティブなレジャーへと変化している。文化を通じて観光を促し、観光を通じて文化を際立たせる観光消費のアップグレードは、人々のより良い生活への期待を満たすだけでなく、文化の伝承と発展の促進や、中国物語の語り、文化への自信の強化にも不可欠な役割を果たしている。(c)CNS-光明日報/JCM/AFPBB News