【解説】ガザの保健状況は「悲劇」 子どもの死者急増の恐れ 国連
このニュースをシェア
■過密状態の避難所
国連は21日、ガザ地区の人口240万人のうち、推定170万人以上が同地区内で避難を余儀なくされていると明らかにした。うち半数近くが子どもだという。
避難民90万人近くが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する、深刻な過密状態にある避難所に滞在している。
ユニセフのエルダー氏によると、これらの避難所では平均で、シャワーユニット一つを700人、トイレ一つを150人で使っている計算になる。
■医療
WHOは先週、ガザ地区にある病院36施設のうち、機能しているのはわずか10施設にとどまると発表したが、状況は悪化している。20日には北部で機能している病院はなくなった。
WHOの報道官は21日、ガザ地区では毎日約180人の赤ちゃんが生まれ、うち20人以上が専門的な医療を必要とすると述べた。
5歳未満の子どもの下痢が4万9000件近く報告されている。この数はひと月平均の31倍に当たる。
疥癬(かいせん)、シラミ、水ぼうそう、発疹などの症例も増えている。
ユニセフは、これまでのところコレラは報告されていないが、もし流行が起これば、子どもの死者は「指数関数的に」増えると強調した。(c)AFP/Nina LARSON