【11月22日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は21日の閣議で、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)に拉致された人質の解放と引き換えに戦闘休止で合意する案について、「難しい決定だが、正しい決定」だと説明した。

 ハマスとおよび武装組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」の関係筋がAFPに語ったところによると、暫定合意には戦闘の5日間休止が盛り込まれる見通し。その間、ガザ北部を除き、地上での戦闘とイスラエル軍による空爆が停止される。北部に関しては、戦闘停止は1日6時間にとどめられるという。

 人質をめぐっては、ガザに連行された人質のうち、イスラエル人および二重国籍保持者計50~100人が解放される見込み。また、イスラエルで収監されているパレスチナ人の女性や子ども約300人も釈放される。関係筋は、合意内容は変更される可能性があるとしている。

 ネタニヤフ氏は閣議で合意案の採決に臨み、より多くの人質がより少ない見返りで解放されるよう、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が「合意枠組みの改善」を支援してくれたと語った。

 その上で、「(合意の下)イスラエル軍は戦闘継続の準備が可能になる。戦争は続いており、ハマスを壊滅して人質全員を連れ戻すという目標を達成するまで続けられる」と述べた。

 人質の家族らも全員の解放を要求。一方、連立政権の一角を担う極右政党「宗教シオニズム」は、合意案はイスラエルの安全保障や人質自身、兵士にとっても利益にならないとして反対している。(c)AFP