【11月20日 AFP】フランス大統領府は19日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に対し、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)との衝突で「あまりにも多くの民間人が犠牲になっている」と指摘したと明らかにした。

 イスラエルは先月7日に自国を奇襲したハマスに対する報復として、ガザへの攻撃を続けている。双方の当局によると、イスラエル側では約1200人が死亡し、人質として240人が拉致されたのに対し、ガザ側ではこれまでに約1万3000人が死亡している。

 フランスはイスラエルの同盟国だが、仏大統領府によると、マクロン氏はネタニヤフ氏に対し「テロリストと民間人を区別する絶対的な必要性」と「停戦を見据えた人道的休戦を即時実現することの重要性」を強調した。

 またパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)でも「民間人のパレスチナ人に対する暴力が激化していることに大きな懸念を抱いている」と述べ、鎮静化を求めたとされる。

 パレスチナ自治政府の保健省は、今回の紛争開始以降、イスラエル軍とイスラエル人入植者が西岸で200人以上のパレスチナ人を殺害したと発表している。

 一方、マクロン氏はパレスチナ自治政府のマハムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長に対し、「パレスチナ自治政府およびこの(中東)地域のすべての国々が、10月7日にイスラエルに仕掛けられたハマスのテロ攻撃を明確かつ最大限に毅然とした態度で非難する必要がある」と述べていた。

 マクロン氏は19日、ガザに医療支援を提供するため、フランスから地中海東部にヘリコプターを派遣する準備を進めていると発表。今週には、医療物資10トン以上を積んだチャーター便の派遣も予定されている。(c)AFP