【11月19日 AFP】英イングランド南西部エクスマス(Exmouth)のレジャーセンターでは、データセンターから出る熱を利用して屋内プールの水を温めている。エネルギーコストと二酸化炭素(CO2)排出量を減らす革新的な方法だ。

 レジャーセンターの敷地内に設置された装置が、コンピューター群が放出する熱を取り込み、25メートルプールを設定温度まで温める。約65%をカバーしており、ガスボイラーの使用は抑えられている。

 プロジェクトを立ち上げたディープグリーン(Deep Green)社は、データセンターの廃熱をプールに無償で提供。コンピューターを稼働させるための電力料金はかかるが、データセンターの顧客からは使用料を得ている。

 エクスマス・レジャーセンターは、この仕組みが最初に試験導入された施設だ。マルク・ビョルンスゴール(Mark Bjornsgaard)最高経営責任者(CEO)はAFPに対し、「共生関係だ。コストをかけないでコンピューターを冷却できる。私たち同様、プール施設も貢献してくれている」と話した。

 ビョルンスゴール氏が食器洗浄機ほどの大きさの白い箱のふたを開けると、鉱物油に漬かったコンピューターが入っていた。油に伝わった熱が熱交換器へ送られ、プールの水を温める。

 通常のデータセンターは大量の冷却水を使っており、熱の99%は利用されることなく大気に放出されるという。

 同氏によれば、一般的にデータセンターの運営コストの半分はコンピューターの冷却費用が占めている。

 ディープグリーンのデータセンターは環境に優しい上、冷却コストがかからないため、クラウドの使用料も安くできる。