【11月18日 AFP】2024年パリ五輪の大会組織委員会は17日、サーフィンの競技会場としてタヒチ(Tahiti)の有名ビーチにこだわる意向を示した一方で、環境団体から抗議の声が上がっている審査員用の巨大タワーについては、計画変更に合意したことを明らかにした。

 9か月後に迫ったパリ五輪のサーフィンは、フランスの首都から約1万5000キロ離れたタヒチが競技会場となっているが、伝説的なサーフスポットに巨大タワーを建設する計画が地元の猛反発に火をつけた。

 組織委は審査員が競技をより適切に評価できるよう、会場に指定されているサーフィンの世界的名所チョープー(Teahupoo)の海上に高さ14メートルのアルミ製構造物の建設を検討しており、この計画に対して現地では数百人がデモ活動を行った。

 地元団体は、このタワーの建設によりサンゴが修復不能になるほどの損傷を受けると主張。計画に反対するオンライン署名には16万人以上からの賛同が集まっている。

 また、タヒチを含む100以上の島々で構成される仏領ポリネシアのモエタイ・ブロテルソン(Moetai Brotherson)行政長官も先日、タワーを必要としない代替会場を提案していた。

 そうした中で組織委はこの日、「象徴的」なサーフスポットを断念する考えを否定しつつ、代わりに「より控えめ」な審査員タワーを建設することでポリネシア政府と合意したと発表した。

 説明によると、改訂された計画ではタワーのサイズと重量が以前の木造タワーと同等になり、基盤にかかる重量が軽減されるため、掘削の深さを減らすことができるという。

 また、地元の専門家と協力してサンゴへのリスクを最小限に抑えることが約束された。工事期間中、一部のサンゴ礁が保護のために移動されるという。(c)AFP