【11月9日 AFP】2024年パリ五輪のサーフィン競技会場となっているタヒチ(Tahiti)で、審査員が使用する巨大タワーの建設計画に対するデモが起きたことを受け、フランス領ポリネシアのモエタイ・ブロテルソン(Moetai Brotherson)行政長官は7日、代替会場を提案した。

 パリ五輪の大会組織委員会は、審査員が競技をより適切に評価できるよう、海上に高さ14メートルのアルミ製構造物の建設を検討しているが、地元団体はこのタワーの建設によりサンゴが修復不能になるほどの損傷を受けるとして抗議活動を主導している。最近も数百人がサーフィンの競技会場に指定されているチョープー(Teahupoo)で平和的なデモを行った。また、この計画に反対するオンライン署名には15万人以上からの賛同が集まっている。

 タヒチ島を含む100以上の島々からなる仏領ポリネシアのブロテルソン行政長官はAFPに対し、環境への懸念を共有し、タワーを必要としない別の場所を競技会場として提案したと述べた。

 ブロテルソン行政長官によると、世界屈指のサーフスポットであるチョープーに知名度は劣るものの、タヒチ島西海岸のタハルー(Taharuu)のビーチはアクセスがよりよく、陸上には必要なインフラがすでにすべて整っているという。

 タハルーは以前も候補地に挙がっていたものの、ブロテルソン行政長官は「当時その選択は不可能だった」と明かし、「今日の利害関係と抗議活動を考慮すると、その(タハルーという)選択肢を再考してもよいのではないか」と話した。

 巨大タワーの建設費用は440万ユーロ(約7億1000万円)と見積もられている。(c)AFP