■駄々をこねている子どもを相手に

 空港の広報担当、ヤンペーター・ハーク氏は、追加料金なしで保安検査場の利用時間を予約できるサービスや、自動チェックイン機や自動手荷物預け機などの導入により、混雑は緩和されていると説明した。

 だが、特に混雑している日には、ストレスを募らせる客もいる。

 ハーク氏によれば、犬たちは利用客から「非常に高い評価」を得ている。「犬たちは、自分を受け入れてくれる人にしか近づかない」という。

「セラピー犬協会ブランデンブルク支部(Therapy Dogs Association Brandenburg)」で訓練士のボランティアをしているイェルク・ユーテックさん(63)が、BERで犬と活動するのは今回で3回目だ。

 IT関係の仕事をしていたユーテックさんが初めてセラピー犬の活動を目にしたのは5年前。がんを患って死期が迫っていた妻が入っていた施設だった。

 それ以来、セラピー犬が高齢者にかわいがられ、落ち着きのない子どもたちが学校で集中するのを手伝い、飛行機嫌いの旅行者をリラックスさせるのを見てきた。

 空港でのパトロールには、「性格が穏やかで、遊ぶことが大好き」な犬が向いているという。

「犬にとっては大変な仕事なので、1時間以上活動させないように注意しておく必要がある」「(犬の)調子が悪く、機嫌が悪そうにしていたら、その日はすぐに活動をやめる」と話した。

 犬たちにとって、一番大変なのは泣き叫んでいる子どもたちだ。

 ユーテックさんが初めてこの空港で活動した日は、ベビーカーに座るのを嫌がり、駄々をこねている子どもを連れた家族がいた。

「私の仲間がすぐにペッパーを連れて行き、ペッパーがダンスをしてみせると、その子は機嫌を直してくれた」

 映像は2023年10月に撮影。(c)AFP/Deborah COLE