【11月16日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は15日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でのイスラエルのイスラム組織ハマス(Hamas)に対する軍事作戦で民間人の犠牲者が急増していることへの批判を強め、イスラエルを「テロ国家」と呼んだ。

 エルドアン氏は議会で、自らが率いるイスラム主義をルーツとする公正発展党の議員を前に「イスラエルはテロ国家だ」と明言。

「われわれはイスラエル政府を非難する一方で、こうした虐殺を公然と支持する存在や、その正当化に注力する存在を忘れてはならない」と述べ、イスラエルを支持する米国などの西側諸国を非難した。

 また、ガザでの紛争を「十字架と三日月の戦い」と呼び、キリスト教およびイスラエルを支持する西側諸国と、イスラム世界の対決図式として提示。「(西側は)殺人犯を免罪しようとしている」「われわれはジェノサイド(集団殺害)に直面している」と述べた。

 これに対しイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は即日、X(旧ツイッター)に投降した動画で反論。「トルコのエルドアン大統領は、イスラエルをテロ国家と呼びながら、実際にはハマスというテロ国家を支持している」と述べた。

 エルドアン氏は3年ぶりのドイツ訪問を2日後に控えている。同氏の激しい発言は、ドイツ国内でオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相への圧力となり、同氏はエルドアン氏を招待するという自身の決定を正当化せざるを得なくなっている。

 ショルツ氏は14日、エルドアン氏がイスラエルをファシズム国家だと批判したことを「ばかげている」と一蹴。イスラエルは「民主主義国」であり、「人権と国際法に縛られ、それらに従って行動する国でもある。したがって、イスラエルに対する非難はばかげている」と述べた。(c)AFP