■非情の心

 1948年、イスラエル建国宣言を受けて起きた第1次中東戦争で、国連によると約76万人のパレスチナ人が追放された。この事象はアラビア語で「ナクバ」と呼ばれ「災厄」の意味を持つ。現代の衝突は、このナクバにさかのぼることができる。

 最近、ジェニンの住民イブラヒム・アルダムジさん(43)は、10代の息子を含む子どもたちを連れてキャンプを出た。

 ガザでの衝突開始以降、キャンプでは暴力行為が横行し、武装勢力へと引き込まれやすい環境になっている。

「何が起きてもおかしくない」「家族が拘束されたり、殺害されたりするのを目の当たりにすれば、それが武装勢力に参加するきっかけとなり得る」

 キャンプの別の住民、モハンマド・オベイドさん(33)は、爆発で飛び散った破片で穴が開き、血で黒ずんだほこりっぽい建物外壁を指し示す。

「今のキャンプの子どもたちは、ここで目にするものによって、早ければ3、4歳で非情の心を持つようになる」 (c)AFP/Joe Stenson