【11月13日 CNS】中国で国粹と茶系飲料の融合を利用し、一連の漢方茶(漢方薬入りの茶系飲料)ブランドが多くのミルクティーの店舗から「突破口」を開き、「医食同源」の養生の「ハリケーン」を巻き起こしている。漢方医館や製薬企業のバックアップの下で、開設した一連のブランド店舗が頻繁にネットユーザーのSNSのチェックインに登場し、漢方茶分野の人気を示している。

「Z世代栄養消費トレンドレポート」によると、中国の18歳から35歳までの若い消費者層は健康・養生消費者層の83.7パーセントを占めており、医食同源+サプリメント類が新世代消費者のチョイスとなっている。

 若者に人気の漢方茶には一体どのような魅力があるのか? 記者が湖南省(Hunan)の地元の漢方茶店4店舗を訪れたところ、漢方茶は主に「ラカンカ」や「ウラルカンゾウ」などの甘味のある薬材を使い、ミルクティーに元々含まれている調味料の砂糖を代替していることが分かった。これにより、薬材の苦みや辛み、酸っぱさ、渋みを中和し、飲み物の風味を保ちつつ、「温補(温め補う療法で温薬を用い寒冷の症状に対処する)」の効果を補い、若者が求める手間を省いた養生志向に対応している。  
 
 以前はビールにクコの実を加えていたが、最近ではコーラにヒカゲツルニンジンを浸すことがある。中高年層と比較すると、若い世代の養生行動の「仏系」と「パンク」のテイストの混ざり合いが顕著で、「医食同源」の理念の脱構築と再構築が次々に進んでいる。

 記者が電子商取引(EC)プラットフォームで「漢方茶」をキーワードとして検索したところ、コウジン阿膠(あきょう)女神茶やビワ橘紅(ミカンの干し皮)潤肺茶など誰でも作れる漢方茶についての結果が多く、その中には取引量が1万件を超える「超人気商品」もあった。9人の若い「養生志向者」へのインタビューを通じて、「新鮮さ」と「健康志向」が若い世代が漢方茶を飲み始める重要な理由であることも分かった。彼らは、この新タイプの茶系飲料の登場による若い世代の間での中医薬文化の普及を期待していた。

「95後(1995年〜1999年生まれの人)」の康倩(Kang Qian)さんは、ミルクティーと異なり、漢方茶の原材料は明確に表示されており、一部の店員は消費者の健康状態を尋ね、個々の虚(不足)・実(過分)・寒(寒気)・熱(発熱)に基づいた個々に合わせてお勧めもしていると述べている。

 しかし、養生の追求には、漢方茶のみに全てを頼りきることはできない。湖南九芝堂坡子街支店店長、現役医師の李美林(Li Meilin)さんは、漢方茶は良いものだが、全ての人に適しているわけではなく、決して万能薬でもない。身体の健康を追求するには、良好な生活習慣を身につけることに立ち返るべきだと述べている。(c)CNS/JCM/AFPBB News