■イスラエルとハマスの「イメージ戦争」

 イスラエルのギラド・エルダン(Gilad Erdan)国連大使は3日、「(イスラエルが)相手にしているのは、イスラエルの壊滅を目指しているテロ組織であることを世界に改めて示したい」と強調。ニューヨークでの上映後、「イスラエルは、ハマスの壊滅と人質の解放という目標を達成するまで停戦しない」と明言した。

 イスラエルがこの映画の拡散に努める一方、同国のガザへの軍事作戦の規模をめぐり批判が高まっており、イスラエルの西側同盟国の間でも懸念が広がっている。

 2007年からガザを実効支配しているハマスは6日、イスラエル軍の攻撃による死者は民間人を中心に1万300人を超え、うち4000人が子どもだと発表した。

 テルアビブ大学(Tel Aviv University)でコミュニケーション学を研究しているジェローム・ブルドン(Jerome Bourdon)氏は、イスラエルは「情報戦で(ハマスに)負けている」と語った。

 パリのコミュニケーション学の教授、アルノー・メルシエ(Arnaud Mercier)氏は、この映画は「イメージ戦争」でイスラエルがハマスよりも優位に立とうとする試みだと指摘する一方で、こう語った。

「イスラエル側が受けた凄惨(せいさん)な暴力を示しても、ガザで(イスラエルが)続けている凄惨な暴力が相殺されるわけではない」 (c)AFP/Joris FIORITI