【11月8日 AFP】ラグビーW杯フランス大会(Rugby World Cup 2023)を制した南アフリカのHOボンギ・ムボナンビ(Bongi Mbonambi)が7日、自身が人種差別を行ったと主張したイングランドは「プロにふさわしくない」と批判した。

 ムボナンビはW杯準決勝のイングランド戦で、相手のトム・カリー(Tom Curry)に「この白人」という言葉に続いてののしり言葉を吐いた疑惑がもたれた。しかしワールドラグビー(World Rugby)は「証拠が不十分」だとして処分は科さなかった。

 この件が問題になった理由としてムボナンビは、試合中は話している内容を相手にばれないよう、普段からアフリカーンス語を使っていることをカリーが把握していなかったからだと話した。

 ムボナンビはBBCスポーツ・アフリカ(BBC Sport Africa)で、「非常に残念だが、先進国(英国)に住んでいると、世界の残りの人も英語をしゃべると思ってしまうのだろう」と話し、「彼らはプロにふさわしくなかった。ウェブサイトで英語の辞書を見たり、アフリカーンス語のその言葉を探したりすることもできたはずだ」とコメント。「(南アフリカの)人々は理解していたが、彼らは明らかに誤解していた」と続けた。

 ワールドラグビーは、カリーが暴言を主張したのは誠実な意図からで、「わざと虚偽の主張をした、あるいは悪意があった」ことを示すものはないと強調している。

 しかしこの件以降、二人はインターネットで誹謗(ひぼう)中傷の的になっており、カリーが所属するセール・シャークス(Sale Sharks)は、同選手への非難の一部には「うんざりする」と話している。(c)AFP