【10月25日 AFP】ラグビー南アフリカ代表のボンギ・ムボナンビ(Bongi Mbonambi)が、W杯フランス大会(Rugby World Cup 2023)準決勝でイングランドのトム・カリー(Tom Curry)に人種差別的な暴言を浴びせた疑惑について、南アフリカ陣営が「謙虚な男」だとムボナンビを擁護した。

 ムボナンビは、チームが16-15でイングランドに競り勝った激戦のさなか、カリーに暴言を浴びせたことが疑われており、カリーは試合中に主審にそのことを報告した。ワールドラグビー(World Rugby)の調査を経て出場停止処分が下されれば、28日に行われるニュージーランドとの決勝に向けてチームには大きな痛手となる。

 しかし、南アフリカのディフェンスコーチを務めるダーン・ヒューマン(Daan Human)氏は疑惑に直接言及はせず、シヤ・コリシ(Siya Kolisi)の不在時には主将も務めるムボナンビへの称賛と尊敬の言葉を口にした。

 ヒューマン氏は報道陣に対して「現在はワールドラグビーと南アフリカラグビー協会(SARU)が対応している。そういう件に対して、われわれから言えることはあまりない」と話し、「彼は謙虚な男で、分別があり、他の全選手と同じように非常に勤勉だ。スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)でプレイしたいなら欠かせない資質だ」と続けた。

 さらに、ムボナンビと疑惑について話はしていないとしつつ、「正直に言って、彼は冷静な男だ」とコメント。「言葉遣いもいいし、この件に深入りはしたくない。W杯決勝が6日後にあるからだ」と話した。

 LOジーン・クライン(Jean Kleyn)は疑惑を一蹴し、「ボンギは素晴らしい男だ。彼のことはストーマーズ(Stormers)でチームメートだった頃から知っている」と話した。

「情熱的で、家族思いでもある。スプリングボクスでキャプテンを務めたことも何度かある。チーム内に彼のことを嫌いな選手はいないだろう」

「あの件にコメントするつもりはないし、正当化もしない」 (c)AFP