【11月6日 】イスラエル首相府は5日、アミハイ・エリヤフ(Amichay Eliyahu)エルサレム問題・遺産相がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への原子爆弾の投下を「一つの選択肢」と発言したのを受け、閣議への出席を禁じた。

 国粋主義者のエリヤフ氏は、ラジオ局コルバラマの番組でイスラム組織ハマス(Hamas)に対する報復攻撃の規模に不満を表明。ガザに原爆を投下して「皆殺し」にする手法を容認するかとの質問に対し、「それも一つの選択肢だ」と答えた。

 また、ガザで拘束されている人質について「戦争には代償が付き物だ」とし、「なぜ人質の命が兵士の命より重視されるのか」と、疑問を呈した。

 こうした発言を受け、政府は直ちに懲戒処分を下したが、国内でも中東諸国からも批判の声が相次いだ。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も「現実離れしている」と語った。

 エリヤフ氏はX(旧ツイッター)で、原爆に関する発言は「例え話」だったと釈明。イスラエルは「人質を無事に救出するために全力を尽くす」と強調した。

 イスラエルは核爆弾の保有を認めていないが、アラブ連盟(Arab League)のアハメド・アブルゲイト(Ahmed Aboul Gheit)事務局長は、エリヤフ氏の発言は「イスラエルが核兵器を保有している」証しであり、そのことは「公然の秘密」になっていると指摘。「(原爆投下を容認する発言は)イスラエル人がパレスチナ人に抱いている人種差別的な見方を裏付けている」と非難した。(c)AFP