【11月1日 AFP】国連(UN)は10月31日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)は、子ども数千人の墓場と化していると報告し、脱水症状でさらに死者数が増える恐れがあると警告した。

 イスラエル当局によれば、イスラム組織ハマス(Hamas)による10月7日の越境攻撃で、民間人を中心に1400人が死亡、子どもを含む少なくとも240人が拉致された。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するガザに激しい攻撃を実施している。ガザの保健当局によれば、これまでに民間人を中心に8525人が死亡、うち3500人以上が子どもだった。

 国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)のジェームズ・エルダー(James Elder)報道官は、「報告される子どもの死者数が数十人、数百人、いずれは数千人規模になるのではないかという最も恐れていた事態が、わずか2週間で現実のものとなった」と指摘。

「ぞっとする数だ。報告によると、殺された子どもの数は3450人を超えた。しかも、毎日大幅に増えている」「ガザは数千人の子どもたちの墓場と化している。それ以外の人間にとっては生き地獄だ」と述べた。

 さらに、ガザで暮らす子ども100万人以上には清潔な水も不足していると指摘。「ガザの一日当たりの配水能力は、平時のわずか5%程度だ。乳児を中心に子どもが脱水症状で死亡するリスクが高まっている」と述べた。

 世界保健機関(WHO)も、ガザの住民の死因は爆撃だけではないと指摘する。クリスチャン・リンドマイアー(Christian Lindmeier)報道官は「保育器がなければ生きられない早産児が130人おり、その約61%は北部にいる」と説明した。

 イスラエルは10月7日以降、ガザを完全に包囲し、食料、燃料、水、電力の供給を遮断。21〜30日に食料や水、医薬品を積んだトラック143台がエジプトとの境界にあるラファ(Rafah)検問所からガザ入りしたが、エルダー氏は「焼け石に水だ」と述べた。(c)AFP