【10月28日 AFP】23F1第19戦米国GP(United States Grand Prix 2023)でメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)らが失格となった件で、メルセデスのトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表は27日、チームとして慎重なアプローチを取るのではなく常に失格のリスクを覚悟してレースに臨みたいとの考えを示した。

 22日に行われた米国GP決勝では、通算7度の年間優勝を誇るハミルトンがレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)に続いて2位に入ったが、レース後の検査でマシン底面のスキッドブロックが過度に摩耗していたとして失格処分となった。

 これを受けてハミルトンは26日、もし全ての選手が検査を受けていれば半分の車が失格になっていたはずだと指摘。ヴォルフ氏もこの日、今週末に控える第20戦メキシコシティGP(Mexico City Grand Prix 2023)のパドックでハミルトンの意見に同調した。

 ヴォルフ氏によると、メルセデスは21日に行われたスプリントの後、ハミルトンのマシンが「限界」まで摩耗していることに気づいていたが、まだ少し余裕があると判断して調整を行わなかったという。仮に調整した場合も、パルクフェルメの規則違反でピットレーンスタートになる。

 同氏は英スカイ・スポーツのインタビューで、「問題はスプリントのレース後に、マシンがパルクフェルメに置かれてそれ以上の調整はできないことだ」とし、「3位になったり25秒差をつけられたりするくらいだったら、失格も覚悟で優勝を狙ってパフォーマンスを優先する。(そうした状況であれば)私はいつでも失格を選ぶ」と語った。

 また、他のマシンも規定に違反していたが、検査の対象にならなかっただけだとするハミルトンの指摘については、「それが他のチームから得たフィードバックだ」と同意し、米国GPのサーキットの特性や、フリー走行が1回しかないスプリントレースが開催されるGPで新しいフロアパッケージを導入したことが、今回の問題につながったとも話した。(c)AFP