ロシア人大隊、ウクライナ軍内に新設 自国での反体制活動に見切り
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■ロシア国内での抗議デモは「無意味」
グレチハさんはウクライナのクリミア(Crimea)半島生まれだが、モスクワで暮らし、救急隊員として働いてきた。侵攻に抗議するデモに何度か参加したが、「無意味」だと悟ったという。
「現在ロシアは独裁政権で、もちろん極めて不満だ。今自分の身に具体的に影響があるわけではなく、私は刑務所に入っているわけでも、外国のスパイでもないが、国家が国民の自由を徐々に奪っているということは感じている」とグレチハさん。
昨年ロシアを出国してウクライナ入りしようとしたが、「当初は組織化されておらず、入国方法に関する情報もなかった」ため、ロシア人の入国時にビザ(査証)取得要件のない国々で、主にテントに寝泊まりして過ごした。
その後、シベリア大隊への入隊希望を受け付けている団体「シビック・カウンシル(Civic Council)」の存在を知った。フェイスブック(Facebook)の公式ページによると、拠点はポーランド・ワルシャワにあるという。
グレチハさんによると、同団体が自身と妻のウクライナ入国を手配してくれた。
また、スウェーデン人を意味する「シュウェブ」というコールサインで呼ばれる兵士は、「政治的迫害」が理由で10年以上前にロシアを離れ、2011年からスウェーデンで暮らしてきたと話した。「長年、反政府や反プーチンの活動に参加し、外国に移住せざるを得なくなった」
「この戦争では、人々の自由を守る側に立っているのはウクライナだ」とみているシュウェブさん。「今必要なのは、プーチンのロシアを打倒すること」であり、ひいてはロシアに加えベラルーシでも政変が起こることを願っている。
「そのためには、ウクライナの勝利が必要だ」とシュウェブさんは強調した。(c)AFP/Anna MALPA