【10月26日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は25日、紛争などで住む場所を追われた世界の難民・避難民の数が9月末時点で、推計1億1400万人に達したと発表した。

 2023年前半に難民・避難民が増えた理由としては、ウクライナやスーダン、ミャンマー、コンゴ民主共和国での紛争に加え、アフガニスタンでの長期化する人道危機が挙げられる。このほか、ソマリアでは干ばつと洪水、治安悪化という複数の危機が発生した。

 UNHCRは「紛争や迫害、暴力、人権侵害などの理由で避難を余儀なくされている人は、9月末時点で1億1400万人に達した」と述べた。

 フィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は「今世界の注目は当然ながら、(パレスチナ自治区)ガザ地区(Gaza Strip)の人道危機にある。だが世界各地であまりにも紛争が急増・激化し、罪のない人の命を奪われ、住み慣れた住居からの避難を余儀なくされている」と述べた。

 グランディ氏は国際社会に対し、紛争の解決や予防ができないと非難するとともに、武力衝突を終結させ、住まいを追われた人々が帰還できるようさらなる協力を求めた。

 UNHCRの報道官はAFPに、9月末時点の1億1400万人という数字は同機関が記録を開始した1975年以来最多だと述べた。

 今回の数字は、イスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルの武力衝突の発生前のものとなる。

 人道問題調整室(OCHA)によると、ガザ地区内の避難民の数は推計約140万人に上る。(c)AFP