【10月26日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は25日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)に対するイスラエルの「残虐な」攻撃は容認できないとし、予定していたイスラエル訪問を中止すると発表した。

 また、ハマスはテロ組織ではなく、パレスチナ人の土地のために戦う「解放者」だとの認識を表明し、イスラエルの反発を招いている。

 エルドアン氏は、ハマスがイスラエルに奇襲を仕掛けた今月7日には、民間人に対するあらゆる攻撃を非難しつつ、イスラエルに慎重な対応を促すなどより冷静な態度を示していた。だが、先週ガザのキリスト教系アハリ・アラブ(Ahli Arab)病院が攻撃され、イスラム世界全体で大規模な抗議デモが起きて以来、エルドアン氏の発言は激しさを増している。

 25日には議会で自らが率いるイスラム主義をルーツとする公正発展党の議員に対し、「イスラエルが行っている残虐行為は断じて容認できない」「イスラエルを訪問予定だったが、中止した。訪問しない」と述べた。

 さらに「ハマスはテロ組織ではなく、自分たちの土地を守る解放者とムジャヒディン(イスラム聖戦士)の集団だ」と述べ、党員たちから拍手喝采を浴びた。

 イスラエル外務省は即座に反発し、エルドアン氏は「テロリスト」を擁護していると非難。「トルコ大統領がテロ組織を擁護しようと、扇動的な発言をしようと、全世界が目にした恐怖を変えることはできない」と述べた。

 エルドアン氏は28日にイスタンブールで、パレスチナの権利を擁護する大規模集会に出席するとみられている。(c)AFP