【10月25日 AFP】英国南極研究所(BAS)は23日、南極地域で渡り鳥の死骸から高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が初めて検出されたと明らかにした。ペンギンなど在来種への影響が懸念される。

 BASは、南極大陸の北に位置する英領サウスジョージア・サウスサンドイッチ諸島のバード島(Bird Island)で、ミナミオオトウゾクカモメの死骸から検体を採取。英国に検査のため送った結果、陽性だったという。

 鳥インフルエンザの感染が拡大している南米から戻ってきた渡り鳥が、ウイルスを持ち込んだ可能性が高いとしている。

 鳥インフルエンザが専門のメルボルン大学(University of Melbourne)のミシェル・ウィレ(Michelle Wille)氏は、南極地域への感染拡大は「衝撃的な知らせ」だと述べた。

 同氏はX(旧ツイッター)に「状況は急速に変わる恐れがある」と投稿した。

 専門家らは、史上最悪の被害をもたらしているHPAIが、多くの鳥類の主要繁殖地となっている南極に到達するとの懸念を示していた。

 英国動植物衛生庁のウイルス部門責任者、イアン・ブラウン(Ian Brown)氏は先週、渡り鳥が南米から南極周辺の島々へ、それから南極大陸へウイルスを広げる恐れがあると警告した。

 ブラウン氏は報道陣に対し、ペンギンなど南極固有の鳥への影響が現実味を帯びる可能性があると指摘していた。(c)AFP