【10月20日 AFP】ロシアは19日、国連安全保障理事会(UN Security Council)でイスラム組織ハマス(Hamas)とイスラエルによる戦闘「中断」を求めた決議案の採決で米国が拒否権を発動したことに対し、「途方もない結果」を招くと非難した。

 決議案はブラジルが提出したもので、ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での人道危機を回避するため戦闘「中断」を求めており、「ハマスによる凶悪なテロ攻撃」を非難する文言も含まれていた。

 18日の採決では、安保理15か国のうち12か国が賛成。反対は拒否権を有する常任理事国の米国だけだった。

 ロシア外務省は19日の声明で、「緊張の激化阻止と、民間人に対する暴力削減」に寄与できたはずの決議案が採択されなかったことに遺憾の意を示すとともに、「今回のような対応がもたらす結果は途方もない」と指摘した。

 さらに、米国が「あらゆる人道活動に当初から反対している」と主張。イスラエルとハマスの衝突は、域内での「米国の失策」を反映しており、それが「現在の破滅的なエスカレーションを引き起こした」と述べた。

 またイスラエルにも矛先を向け、「自衛権は、大規模で無差別な報復の許可を意味するものではない」と非難した。(c)AFP