【10月19日 AFP】イスラエルは世界有数の軍事力を誇り、米国からも大きな支援を受けている。一方のイスラム組織ハマス(Hamas)は、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配する高度に訓練された武装集団で、中東地域に強力な同盟国や組織が存在する。

 ハマスによる7日の大規模奇襲攻撃を皮切りに武力衝突に発展した双方は、ガザ地区での地上戦をにらみ準備を進めている。イスラエル軍とハマスの軍事力の概要をまとめた。

■イスラエル

 英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)によれば、イスラエル国防軍(IDF)の兵力は16万9500人で、そのうちの12万6000人が陸軍。40万人の予備役がおり、今回の衝突では既に36万人が動員された。

 イスラエルには、防空システム「アイアンドーム(Iron Dome)」などの先進的な防衛技術があり、またIISSによれば、約1300両の戦車や他の装甲車両、345機の戦闘機の他、多数の大口径火器やドローン、最新鋭の潜水艦も保有している。

 公式には核保有国ではないが、イスラエルの核兵器保有は公然の秘密となっている。軍備管理政策に関する情報提供などを行っている米団体「アームズ・コントロール・アソシエーション(Arms Control Association)」は、イスラエルが保有する核弾頭を90としている。

 米国は現在、2028年までの10年間の合意に基づき、イスラエルに年間38億ドル(約5700億円)の軍事援助を提供している。

 イスラエルへの武器弾薬の追加的供与以外にも、米国は東地中海に空母2隻を展開している。世界最大の空母、フォード級「ジェラルド・R・フォード(USS Gerald R. Ford)」と「ドワイト・D・アイゼンハワー(USS Dwight D. Eisenhower)」だ。これには、ハマスだけでなく、同盟関係にあるイランとイランが支援するレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)をけん制する狙いがある。

 英情報分析会社ジェーンズ(Janes)によれば、米空母は駆逐艦や巡洋艦、潜水艦、支援艦などを伴っており、弾道ミサイルに対する防御のほか、指揮統制、人道支援、退避、災害救助など、幅広い対応が可能だという。