【10月17日 AFP】フランス人彫刻家オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)の作品が、英スコットランド・グラスゴーで「所在不明」になっている。美術館が16日、発表した。

 グラスゴーの美術館は1901年、石こう製の像をロダン本人から購入。複数のグラスゴーの文化施設を管理するグラスゴー・ライフ(Glasgow Life)によると、1949年6月25日から9月30日までケルビングローブ公園(Kelvingrove Park)で展示された。

 だが、それ以降、所在不明になったとみられる。

 世界中に散在するロダン作品の目録を作るロダン委員会(Comite Rodin)の代表はAFPに、作品は2メートルあり、6体からなる群像「カレーの市民(Bourgeois de Calais)」の一つ「ジャン・デール(Jean d'Aire)」だと説明した。

 所在不明になっていることは「残念」だが、40年代には石こう像は重視されていなかったことから「時代の文脈を考慮すべきだ」と述べた。

 像は現在の価値で推定300万ポンド(約5億4600万円)になるという。

「カレーの市民」は、百年戦争(Hundred Years' War)で英国軍に仏北部カレー(Calais)が包囲された際、自らを犠牲にした6人の市民を描いたもの。カレー市がロダンに依頼し、1895年に発表された。

 同作品は多数の青銅版や石こう版が作られ、各国に所蔵されている。

 グラスゴー・ライフによると、不明になっている像は1949年の屋外展示の際に「損傷した」ことが分かっている。ロダン委員会は、像の一部がどこかに保管されていることを願うとしている。(c)AFP