【10月16日 AFP】パレスチナのイスラム組織ハマス(Hamas)による対イスラエル攻撃に関する見解をめぐり、フランスの左派最大政党「不屈のフランス(LFI)」のベテラン政治家ジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)氏が各方面から批判を浴び、左派勢力の間に大きな亀裂が生じている。

 フランスは、ユダヤ教とイスラム教の欧州最大規模のコミュニティーを抱えており、イスラエルとパレスチナの紛争について熱い論争が展開されてきた。過去のガザ紛争の際には大規模なデモも行われ、その大半がパレスチナへの連帯を表明するものだった。

 左派政党はこれまで、ガザ地区からのロケット弾攻撃に対するイスラエルの大規模な爆撃に対し、対イスラエル非難で一致してきた。

 しかし、ハマスによるイスラエル南部の市民を標的とした残忍な攻撃により、足並みが乱れている。ハマスをテロ組織と呼ぶことを拒否しているメランション氏は、ハマスの擁護者との批判にさらされ、その声は同盟関係にある左派勢力の一部からも上がっている。

 イスラエル南部の砂漠地帯で行われていた音楽祭の襲撃は、2015年11月にパリで起きたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による攻撃の痛ましい記憶をフランスによみがえらせた。この攻撃では、ロックコンサートで90人が殺害された。

 フランスでは2012年以降、ユダヤ教徒がイスラム過激派による攻撃の標的となってきた。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、ハマスの「テロ攻撃」を強く非難。「正当化できない」攻撃だとして、イスラエルが自衛する権利を支持しつつ、全ての当事者に事態を「エスカレート」させないよう呼び掛けた。