【10月9日 AFP】エチオピアの首都アジスアベバ南東50キロの距離にある湖に8日、かつては禁止されていた祭り「イレチャ(Ireecha)」を祝うため、同国最大の民族オロモ(Oromo)が数万人集まった。この祭りは今日では、政治・民族的要求に関する相談窓口としても機能している。

 オロモは約80の異なる民族がいるエチオピア最大の民族で、人口1億2000万人のうちの約3分の1を占めている。

 小規模事業を営む35歳の男性は「雨期から春に変わる際に神に感謝するためオロモの人々は湖に集まる」と語った。

 イレチャでは、カラフルな衣装に身を包んだ人々が伝統の歌や踊りを披露する中、参加者は花を湖に浸し、祝福された水を体に掛ける。

 オロモはキリスト教徒とイスラム教徒がほぼ半々で、多くの人は神を「ワカ」と呼び、今も祖先崇拝信仰を中心として発展した土着の宗教を信じている人もいる。

 エチオピアのオロモの人々は長年、抑圧されていた。しかしここ数十年、オロモ人としてのアイデンティティーが復活し、長らく禁止されていたイレチャのような伝統が復活している。(c)AFP/Aymeric VINCENOT