【10月5日 AFP】ブラジルのジェラルド・アルキミン(Geraldo Alckmin)副大統領は4日、深刻な干ばつでアマゾン(Amazon)川などの水位が低下するなどして大量の魚やイルカが死んでいるのが見つかった北部アマゾナス(Amazonas)州を対象に、支援を拡充する考えを示した。

 アルキミン氏は、股関節の手術を受け行動が制限されているルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領の要請を受け、一部閣僚と共にアマゾナス州を訪問。ヘリで視察した後、州都マナウス(Manaus)で記者団に対し、「必要な資源が不足しないようにしたい。住民の支援に向けできるだけ早急に資源の提供を拡充できるよう動いている」と語った。

 熱帯雨林に覆われるアマゾナス州は現在、乾期だが、エルニーニョ(El Nino)現象の影響が重なり雨量が一段と減少。アマゾン川の水位が低下し、魚やアマゾンカワイルカが大量に死んでいる。

 流域住民にとっても、川の水位低下により、物資運搬や移動の手段としての水路利用に支障が出る事態となっている。

 マリナ・シルバ(Marina Silva)環境相は先週、干ばつの影響が深刻な約50万人が住む地域を対象に緊急援助を提供する方針を発表。政府はこれとは別に、アマゾン川支流のマデイラ(Madeira)川と、上流部のソリモンイス(Solimoes)川でしゅんせつ工事を行うための費用として1億3800万レアル(約40億円)を拠出した。航行に十分な水深を確保するのが狙い。(c)AFP