【10月3日 AFP】イラン外務省のナセル・カナニ(Nasser Kanani)報道官は2日、アゼルバイジャンが自国と飛び地とをつなぐ「回廊」をアルメニア南部に設置する可能性が取り沙汰されているのを受け、カフカス(Caucasus)地方で「地政学的な変更」を加えることへの反対を表明した。

 カナニ氏は、アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で「対テロ作戦」を実施し、同地における主権回復を宣言したことについては支持を表明。

 一方で、アゼルバイジャンから、イラン北部と接するアルメニア南部の国境地帯を通って飛び地のナヒチェワン(Nakhchivan)自治共和国に至り、さらにトルコまで延びる「ザンゲズル(Zangezur)回廊」に関しては、「地域に地政学的な変更を加えることには反対であり、それがわが国の明確な立場だ」とくぎを刺した。

 専門家の間では、アゼルバイジャンはナゴルノカラバフでの軍事作戦の後、次は本土とナヒチェワンをつなぐ回廊の設置を目指しアルメニア南部で作戦を実行する可能性があるとの見方が出ている。

 このルートはイランにとっても戦略的に重要であり、仮にアゼルバイジャンの支配下に置かれれば、イラン、アルメニア間の通行経路が遮断されることになる。(c)AFP