【9月29日 AFP】米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は27日、新たな音楽外交イニシアチブの発表に合わせ、自らがギターを手に取り、腕前を披露した。

 米政府は27日、米国のトップミュージシャンを世界に派遣する新たな「グローバル・ミュージック・ディプロマシー・イニシアチブ(Global Music Diplomacy Initiative)」を発表した。

 国務省のレセプションルームで行われたローンチイベントには、ジャズミュージシャンのハービー・ハンコック(Herbie Hancock)さんや、ロックバンドのニルヴァーナ(Nirvana)やフー・ファイターズ(Foo Fighters)で知られるデイブ・グロール(Dave Grohl)さん、Z世代の歌姫として知られるゲイル(Gayle)さんらが登場した。

 ブリンケン氏は、伝説的ブルースミュージシャン、マディ・ウォーターズ(Muddy Waters)の「フーチー・クーチー・マン(Hoochie Coochie Man)」の演奏にリズムギターで参加。演奏前には、「部屋から人がいなくなるかもしれない」と冗談を言っていたが、実際に演奏が始まると、主に国務省関係者で占められた客席からは歓声が上がった。

 新イニシアチブでハンコックさんは、ヨルダンとサウジへと向かう予定。サウジアラビアは最近まで公共の場での音楽の演奏が禁止されていた。

 また、11月には、フィラデルフィアオーケストラ(Philadelphia Orchestra)が中国に派遣される。同オーケストラは1973年、中国で初めて演奏した米国のオーケストラ。

 ブリンケン氏はイニシアチブについて、「音楽を楽しむのにその背景や歴史を知る必要はない。なぜなら音楽の本質は私たちが共有する人間性に根差すものだからだ」と語った。(c)AFP