【9月27日 AFP】アゼルバイジャンの国境警備隊は26日、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)から避難してくるアルメニア系住民に対し、検問所で「戦争犯罪」の容疑者の捜索を行った。

 アゼルバイジャン政府は先週、ナゴルノカラバフで「対テロ作戦」を実施し、主権回復を宣言した。作戦開始以来、ナゴルノカラバフを逃れアルメニアに入国した避難民は2万8000人を超えている。

 地元当局によれば、25日にはアルメニア系分離派が拠点を置くステパナケルト(Stepanakert)郊外の違法ガソリン貯蔵施設で大爆発が起き、少なくとも68人が死亡した。犠牲者の大半は、アルメニアとの唯一の陸路、ラチン(Lachin)回廊を移動する前にガソリンを満タンにしようとしていた避難民だった。

 アゼルバイジャンとアルメニアはナゴルノカラバフをめぐる紛争で互いに民間人虐殺や人権侵害を行ったとされ、対立を強めてきた。

 AFPの取材班は、アゼルバイジャン政府の許可の下、アルメニア系住民の避難ルートへの立ち入りを許された。

 国境の両側で確認したところ、荷物を積み上げた車数百台がゆっくり進み、道は渋滞していた。アルメニアに越境する人々の大半は子ども連れの女性や高齢者で、徒歩でアゼルバイジャン側の最後の検問所を通過する人も大勢いた。数少ない20~30代の男性はカメラの前で身元確認をされていた。

 アゼルバイジャン政府筋はAFPに対し、「ナゴルノカラバフで武装解除したアルメニア兵には恩赦を与える意向だ」とし、「しかし、紛争中に戦争犯罪に関わった者は、わが国に引き渡してもらわなくてはならない」と話した。(c)AFP/Anne-Sophie LABADIE with Thibault MARCHAND in Kornidzor, Armenia