【9月25日 AFP】アルメニア政府は24日、隣国アゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)から、同日までに避難民377人を受け入れたと発表した。

 AFPが確認した避難民の大半は女性や子どもだった。中には、ロシアの平和維持部隊の基地周辺に避難していた人々の姿もあった。

 避難民数十人からなる最初のグループは、アルメニアの村コルニゾール(Kornidzor)で入国手続きを済ませた。そのうちの一人、30代男性はAFPの取材に「われわれは昨日、武装解除しなければならなかった。だから出発した」と話した。

 男性は「荷物をまとめる時間は15分しかなかった」と述べ、3歳で亡くなった娘の墓や家畜を置いてきたことを後悔していると続けた。「彼女にさようならと言えなかった。また戻りたい」

 一方、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領は25日、同国の飛び地であるナヒチェバン(Nakhichevan)で、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領との会談に臨む。両首脳は、天然ガスパイプラインの起工式および新たなアゼルバイジャンの軍事施設の公開を予定している。

 2020年に起きた6週間にわたる衝突では、トルコの支援を受けたアゼルバイジャンがナゴルノカラバフの一部を奪還した。

 アルメニアのニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相は24日、ナゴルノカラバフで先日発生した武力衝突への介入をロシアが拒否したのを受け、同国主導の旧ソ連圏の集団安全保障条約機構(CSTO)は機能していないとして、対ロシア政策を大幅に転換する考えを示した。(c)AFP