【9月22日 AFP】フランスの税関当局は21日、押収した保護の対象となっている霊長類の頭骨が7か月間で392個に上ったと発表した。霊長類の頭骨の密輸は増加傾向にあるという。

 シャルル・ドゴール(Charles-de-Gaulle)空港では昨年5~12月、マカクやヒヒ、マンドリル、チンパンジーなどの霊長類の頭骨が入った小包392個が押収された。そのほとんどがカメルーンから発送されたもので、米国の収集家宛てになっていた。

 霊長類以外の頭骨や骨が入った小包も数百個押収されている。

 保護種の取引許可書が添付されていた小包はなかった。

 シャルル・ドゴール空港の税関部門トップ、ジルベール・ベルトラン(Gilbert Beltran)氏は記者会見で、「保護種の密売は、麻薬や武器の密売、人身売買の次にもうかる商売」だと指摘した。会見場には、押収された保護種の骨が並べられていた。

 こうした「卑しむべき」保護種密売ビジネスの市場規模は、年間80億~200億ユーロ(約1兆2600億~3兆1500億円)になるという。

 動物の密売に詳しいファブリス・ガイエ(Fabrice Gayet)氏は、霊長類は通常、肉のために捕獲され「頭骨の取引はサイドビジネス」だと語った。

 小型の霊長類の頭骨は一つ30~50ユーロ(約5000~8000円)、大型のものは400~500ユーロ(約6万~8万円)、チンパンジーは最高1000ユーロ(約16万円)の値で取引されているという。(c)AFP