【9月21日 AFP】アゼルバイジャンは20日、隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)での「対テロ作戦」で、アルメニア側が武装解除に応じ、数十年ぶりに主権を回復したと発表した。

 今回の攻撃による死者は200人に上るとされる。

 アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領はテレビで演説し、「対テロ作戦が成功し、アゼルバイジャンは主権を回復した」と宣言した。アルメニア系勢力の大半を制圧し、アルメニア側は撤退を始めているという。

 アゼルバイジャンの首都バクーでは、市民が喜びに沸いた。今回の作戦でナゴルノカラバフにおける勝利が決定づけられ、数十年に及ぶ紛争が終わりを迎えたと期待を寄せた。

 ある女性(67)はAFPに「知らせを聞いてとてもうれしかった。ついに戦争が終わった」と語った。

 一方、アルメニアでは、ナゴルノカラバフをめぐる3年ぶり2度目の敗北に怒りの声が上がった。

 首都エレバンでは数千人が抗議活動を行った。デモ隊らは、政府の対応を非難。警察官に瓶や石を投げつけた。警察官らは、これに対し、閃光(せんこう)弾を使用し、参加者らを拘束した。

 アゼルバイジャンに譲歩したとして2020年以降痛烈に批判されてきたニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相に対する圧力はさらに強まった。

 ミュージシャンの男性(20)は、「われわれは国土と国民を失いつつある」「パシニャンは退陣すべきだ。統治できていないことは時間の経過とともに示された。誰も彼に降伏していいとは言ってない」と述べた。

 パシニャン氏は、政府は今回の停戦合意の草案作成には関わっていないとし、ナゴルノカラバフにはアルメニア軍は駐留していないと指摘した。また、ロシアの平和維持部隊が、アルメニア系住民が「自分の家、自分の土地」に留まることができるよう確保してくれることを期待していると述べた。(c)AFP/Farhad Gasymov and Mariam Harutyunyan in Yerevan