【9月13日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は12日夜、モロッコ地震をめぐり、被災者支援に絡めて両国関係を議論するのは終わりにすべきだと訴えた。

 モロッコは現時点で、旧宗主国フランスからの支援の申し出を受け入れていない。

 専門家の間では、モロッコが2021年から断交している隣国アルジェリアにフランスが接近していることに、モロッコ側が不満を抱いているとの見方が出ている。

 マクロン氏はX(旧ツイッター〈Twitter〉)に投稿した動画の中で「言うまでもなく、国際支援の調整はモロッコ国王(モハメド6世〈Mohammed VI 〉)と政府が完全な主権をもって決めることであり、われわれは先方の主権的な選択に応える用意がある」と述べた。

 その上で、「分断を招き、既に悲劇的な現状をさらに複雑にするような議論は、全ての人に対する敬意の念を表して終わりにできればと願う」と語った。

 モロッコは10日、スペイン、英国、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)の支援申し出を受け入れたと発表。

 一方、モロッコ政府から直接の支援要請を受けていないフランスは11日、以前からモロッコ国内で活動している複数の援助団体に500万ユーロ(約7億9000万円)の資金提供を行うと表明した。

 当局によると、今回の地震による死者は2900人以上に上っている。(c)AFP