【9月12日 AFP】スウェーデンのイノシシにアフリカ豚熱(ASF)の発生が確認されたことを受け、複数の国と地域がスウェーデン産豚肉の輸入を停止した。業界関係者が11日、明らかにした。

 輸入を停止したのは日本とアルメニア、オーストラリア、フィリピン、シンガポール、台湾、ウクライナ。

 スウェーデンの食肉産業協会はAFPに対し、ASFウイルスは今のところイノシシからしか検出されていないと説明。担当責任者は「(スウェーデン産の)豚肉に危険性はない。理不尽だと思うが、これがASFウイルス検出時の標準的な手順だ」と話した。

 今月6日以降、ストックホルムの北西約145キロに位置するファーゲシュタ(Fagersta)付近で死んだイノシシからASFウイルスが7例検出されている。

 専門家によれば、ASFウイルスは人には感染しないが、豚やイノシシなどへの感染力と致死率が高く、豚肉業界に壊滅的な被害をもたらす恐れがある。

 スウェーデン当局は、イノシシへの感染が確認された地域の周囲1000平方キロに及ぶ森林と野生動物保護区への一般の立ち入りを禁止した。

 ASFウイルスのスウェーデンへの伝播(でんぱ)経路はまだ分かっていない。近隣ではドイツ、ポーランド、バルト3国でも発生が確認されている。(c)AFP