【9月8日 AFP】イスラエルの考古学チームは6日、ユダヤ砂漠(Judean Desert)の洞窟内で発見された約1900年前のローマ時代の剣4本とやり1本を公開した。

 2世紀にユダヤ人がローマ帝国に対して起こした「バル・コクバ(Bar Kokhba)の乱」の際に使用されたものと考えられる。

 イスラエル考古学庁(IAA)のエイタン・クレイン(Eitan Klein)氏は会見で「イスラエルでかつてない大発見」と紹介。「ユダヤの反乱軍がローマ軍から戦利品として奪ったか、あるいは戦場で回収し、将来の戦闘で使用するために洞窟に隠したと推測される」と述べた。

 これらの武器は6月に、洞窟内の鍾乳石の壁に深く食い込んだ状態で発見された。剣は木と革でできたさやで守られていた。

 クレイン氏は略奪を恐れて正確な発見場所については言及しなかったが、イスラエル領内のエンゲディ(Ein Gedi)自然保護区の近隣地域だと述べた。

 ローマ帝国研究の専門家で、テルアビブ大学(Tel Aviv University)のガイ・スティーベル(Guy Stiebel)教授は、鉄でできた剣の刃、さや、柄の保存状態が非常に良いと語った。「ユダヤ砂漠の乾燥した気候がこうした発見を可能にしている」

 ユダヤ砂漠は、イスラエル南部からパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のイスラエル占領地にまたがっている。

 考古学はイスラエルとパレスチナ間で非常に政治的なテーマとなっている。過去いくつかの考古学的発見は、それぞれの領土権の主張を正当化するために利用されてきた。(c)AFP