【10月13日 AFP】シリアは12日、1600年前の古代ローマ時代に作られたモザイク画を公開した。トロイ戦争(Trojan War)の戦士の姿も描かれており、極めて珍しいという。

 モザイクが見つかったのは、2018年に政府が反体制派から奪還した中西部ホムス(Homs)県ラスタン(Rastan)。同地では考古学的発見が相次いでいる。

 発掘の責任者で文化財当局の考古学部門トップ、ハマム・サード(Hammam Saad)氏によると、モザイクには剣と盾を持った戦士が描かれており、トロイ戦争に参加した古代ギリシャの英雄たちの名前もあった。

「この種のものとして最古ではないが、最も完全かつ希少なものだ」「(シリアに)同じようなモザイクはほかにない」とサード氏は話した。

 これまでに建物の下から発掘されたのは縦約6メートル、幅約20メートルのモザイク画。これ以外にも埋もれているとみられている。

 シリアには最古級の保存状態が良好な古代文明の遺跡が数多く存在し、「考古学者の天国」と呼ばれていた。だが、10年以上に及ぶ内戦で修復不可能なまでに破損した遺跡もある。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されている国内6か所の遺跡は、程度の差こそあれすべて被害を受けている。(c)AFP